体重減少のジャックラッセル 公開質問その1

体重減少の悩み ジャックラッセル、11歳 その1

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東京でのカウンセリングでご縁のあったジャックラッセルの親子の公開質問です。

私が初めて会った子たちの体質を知る時、(検査機械もない出張相談の時は特に)オーナー様の細かな観察が大変役に立ちます。

カウンセリング後、フォローアップ・メール相談(有料)を何度かさせていただきました。

 

S様とのメール相談の内容は、検査を受けようか、日々の健康管理に不安を持っている他のオーナー様達の参考になることも多いと思い、公開質問に選ばせていただきました。

(メールの内容を公開する承諾を頂いております。)

 

 

今回は娘犬さんの相談です。

オーナー様が不安に感じている症状は、いつも便が緩めで、体重減少、膝関節の症状、筋肉の衰えです。

 

カウンセリングで、ホルモン系の異常についての検査を受けていただくようアドバイスしました。

 

その結果をメール相談で、送っていただきました。

以下太字、オーナー様のメール引用です。

(かかりつけ医で受けた)エコーとレントゲンの結果を、まずご報告させていただきます。

(インスリン濃度の検査もお願いしてみましたが、GLU 136で糖尿病の可能性は低いから必要ない、と言われてしまいました、、。)

エコー、レントゲンはかなり詳しく診ていただきました。

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若干の気管虚脱がみられました(グレード1・石灰化はナシ)

  • 心臓はわずかに逆流がみられ、ごく初期の弁膜症でした。雑音はナシです。
  • 胆のうに、半分弱くらいの胆泥がみられました。堆積していることからやや粘り気味のものでした。
  • 腸はガスが溜まっていました。
  • 副腎は左右ともピーナッツ型の原型は維持していましたが、左6mmほど、右8mmほどでした。

 

以上が症状として見られたところです。

 

以下、その他の結果です。

肺はキレイ・リンパ節 腫れなし・心筋症、肺動脈問題なし・肝臓、胃共にキレイ・脾臓も腫れなし

膀胱もキレイ・腎臓は中心にごくわずかの石灰化で今は問題なし・腸管の腸壁の形は正常、肥厚ナシ・甲状腺しこりナシ

(4月の血液検査で膵臓のC-TLIとSpec-CPLも正常範囲内でした)

 

かかりつけの先生からは、以上の結果からクッシング症候群はほぼ確定で、脳下垂体が原因と考えられ、次の段階として脳下垂体の腫瘍の大きさをみるために、また体重減少も別の原因を疑っていらっしゃってCTを勧められました。

 

インスリン抵抗性が上がっている場合でも、血糖値は見かけ正常値です。

インスリンが過剰分泌されていると、血管壁を傷つけてしまいます。

血管壁が傷つくと血圧のコントロールにも負担がかかってくるので、早めに気がつくと食事の管理にも役立ちます。

 

体は恒常性を保つため、血液検査で異常値が出る、、、までかなりタイムラグがあることが多いです。検査では、「病気がわかる、診断できる」

というより「この病気は除外できる」ことを目的としているので

いろいろな角度から体の状態を探りながら、発症を防ぐ(又は状態を改善する)ことが、検査データの有効活用と思います。

できれば、別の機会でも構わないので、検査しておくと安心と思います。

 

気管虚脱傾向はお母さんと一緒ですね。呼吸がゼーゼーするようになってしまうと、見ていて本当に辛い病気なので、早めであれば食養生で進行を遅らせることは出来ます。養生を始めるタイミングとしては秋以降が効果的です。

心臓弁膜症もお母さんと一緒の傾向ですね。咳などの症状はありませんか?

胆泥で胆嚢半分も溜まってしまっているのであれば、『温病』対策を早急におすすめします。結石や砂は循環していない体の熱が関与しているのです。
胆泥症の子は、『肝』のバランスを崩しているので、関連して胃腸の働きも鈍くなってきます。そのことで夏バテの原因にもなります。

 

温病(ウンビョウ)は、熱が原因となる病のことです。

日本ではあまり知られておらず、埋もれてしまっている知識です。

ただ、犬は熱が溜まり易いので、温病学を研究することで

「難治性の病態を改善することに繋がる」という経験を、私はここ数年たくさんしました。

 

(胆嚢の機能が正常に働かないと、消化吸収能力が衰えます。

慢性の軟便もこのことも影響あると思います。)

 

 

腸のガスは腸自体の動きが緩慢であることが予想されます。

ガスは腸から血管を通じて肝臓に運ばれます。
肝臓にも負担をかけてしまいます。

 

CT検査では、エコーやレントゲンではっきりしないことも沢山情報が得られます。ただ全身麻酔下で行うことと、体力の問題、費用が高額なので、

今後のご自身の愛犬との関わり方も良く考えて決めるのが良いように思われます。

 

 

その2へ続きます。